まいど!大阪、東大阪で雨漏り・防水工事をやっております、大阪匠工業です。
この記事、もともとは「雨漏りを放っておいたらシロアリが出た」という話で書いたものです。今回、中身をかなり足しました。この夏の雨の降り方を見ていて、書いておかんとあかんことが増えたからです。
先に結論だけ言うときます。シロアリは木を食べに来るのではなく、湿った木を食べに来ます。だから「木造やから危ない」のではなくて、「濡れた木がそのまま残っているかどうか」が分かれ目です。そして水の入り方には、上からと下からの2通りがあります。
まず、木が腐るということ
木材は、乾いていれば腐りません。神社の柱が何百年ももつのはそのためです。腐るのは、水を含んだ状態が続いたときだけです。
木が水を含むと、まず木材腐朽菌というカビの仲間が入ります。こいつが木の繊維を分解して、木を柔らかく、もろくします。そのあとに来るのがシロアリです。シロアリは、腐って柔らかくなった湿った木の裂け目に潜り込んで巣を作ります。
つまり順番は、水 → 腐朽菌 → シロアリです。いきなりシロアリが来るわけやないんです。だから「水を残さない」ところで止めれば、その先は起きません。
含水率(がんすいりつ)という言葉について
木がどれだけ水を含んでいるかを表す数字です。カラカラに乾かした木の重さを基準にして、そこにどれだけ水が乗っているかで数えます。含水率20%なら、乾いた木1キロに対して水が200グラム入っている状態です。
家の柱や土台は、ふつうは15%前後で落ち着いています。ここが20%を超えたあたりから腐朽菌が動きはじめ、さらに上がると本格的に繁殖します。国土交通省の木造建築物の耐久性ガイドラインでも、腐朽菌やヤマトシロアリは乾燥に弱いことを前提に、床下の防湿と換気を求めています。乾かすことが、そのまま対策になるということです。
経路① 上から入る水(雨漏り)
雨漏りすると、雨水が屋内の木材にしみ込みます。天井裏を通ったり、外壁のひび割れから浸透したり、入り方はいろいろです。その通り道になった木材が湿気を帯びて、柔らかくなります。
実際に雨漏り補修で撤去した木材がこちらです。

食べられた跡が、そのまま次の雨水の通り道になっています。傷むほど水が通りやすくなって、水が通るほど傷む。これが厄介なところです。
いちばん見つかりにくいのは、雨漏りしているけれど宅内まで水が下りてきていないケースです。天井裏や壁の中で止まっているので、住んでいる方は雨漏りに気づきません。居室にシミが出て「雨漏りや」と気づいたときには、天井裏の木がだいぶやられている、ということが起こります。
経路② 下から入る水(床下浸水)
こちらが、今回あらためて書いておきたい話です。
今年の6月26日、東大阪で1時間に76ミリの雨が降りました。同じ日、大阪市生野区では道路のマンホールが吹きとんでニュースになりましたね。下水が処理しきれなくなった水が、行き場を失って地上に出てきた結果です。
こういう降り方をすると、床下に水が入ります。
屋上にお風呂38杯分の雨が降った日、東大阪1時間76ミリの大雨では屋上に溜まる水の話を書きましたが、行き場のない水は当然、地面のほうにも回ります。
床下浸水は「乾いたら終わり」ではありません
床上まで来た場合は、畳を上げたり床板をめくったりと、いやでも手が入ります。問題は床下浸水だけで済んだ場合です。生活に支障が出ないので、水が引いて、しばらくして床下の匂いもしなくなったら、それで終わったことになります。
ところが床下というのは、日が当たらず、風もほとんど通りません。地面はコンクリートでも土でも、水を吸います。上からは床板でフタをされています。つまり家の中でいちばん乾きにくい場所です。
だから自治体の案内でも、床下浸水については消毒より先に、清掃と乾燥をやってくださいと書かれています。千葉市の案内には、床下に土砂や水分が残っていると、家の基礎や土台に影響が出る場合がある、とはっきり書いてあります。
2026年8月、千葉で起きたこと
8月13日から14日にかけて、千葉県では線状降水帯が発生し、千葉市では8月ひと月分の平年降水量の3倍を超える雨が降りました。
内閣府のまとめ(9月9日時点)では、床上浸水1,052棟に対して、床下浸水は2,701棟。合わせて3,700軒を超えます。
このうち床下浸水だけで済んだ2,701軒のなかに、排水と清掃はしたけれど、床下の木が乾ききったかどうかまでは確認していない家が、かなりの数あるはずです。大阪でも同じ降り方をしているので、他所の話ではありません。
いつ出てくるか
ここが、この話のいちばん厄介なところです。
夏に濡れた木が乾かないまま秋冬を越すと、腐朽菌が入ります。そこにシロアリが来るわけですが、ヤマトシロアリの羽アリが飛んで新しい巣を作るのは、4月から5月の昼間です。雨上がりの暖かい日に多い。つまり夏の浸水に対して、早くても翌年の春です。
そして羽アリが入った時点では、まだ被害は見えません。床がふわつく、柱を叩くと軽い音がする、といった形で出てくるのはさらに先になります。
そのころには、去年の夏に床下が濡れたことと目の前の被害が、頭の中でつながらなくなっています。原因と結果のあいだが離れすぎていて、気づけないんです。
ご自身でできる点検と、その対策
床下に潜る必要はありません。上から確認できることを挙げていきます。
① 4月から5月、羽アリと「羽の落ち殻」
シロアリが人の目につく、ほぼ唯一の機会です。ヤマトシロアリの羽アリは春の昼間、だいたい午前10時から昼すぎに飛びます。飛んだあとは羽を落とすので、窓のサッシや玄関まわりに、薄い羽だけが固まって落ちていることがあります。
対策掃除機で吸ってしまう前に、スマホで写真を撮ってください。クロアリの羽アリとの区別がつかなくても構いません。写真があれば、シロアリ駆除の業者が判断できます。ちなみにシロアリは胴にくびれがなく寸胴、クロアリは腰がくびれています。
② 床のふわつき、柱を叩いたときの音
中を食べられた木は、叩くと軽い、乾いた音がします。床を歩いたときに一部だけ沈む感じがする、というのも同じサインです。とくに浴室・洗面所・玄関まわりは、もともと水がかかる場所なので出やすいです。
対策「この一畳だけ音が違う」という場所を控えておいてください。点検のときにその一言があるだけで、原因にたどり着くまでの時間がまるで変わります。
③ 床下換気口が、ふさがっていないか
建物の外まわり、地面に近いところに開いている小さな穴です。ここが床下を乾かしています。植木鉢、物置、自転車、室外機、積んだままの土のう。だいたい何かが置かれています。
対策どけてください。これは今日できます。床下を乾かす仕組みは最初から付いているので、まず動かしてやることです。
④ 床下点検口から、のぞいてみる
台所の床下収納や、洗面所の床にある四角い蓋です。潜らずに、懐中電灯で照らして見るだけにしてください。見るのは3つ。カビ臭い匂いがしないか。地面が黒く湿っていないか。配管や鋼製の束に水滴がついていないか。
対策気になるものが見えたら、その場で写真を撮っておいてください。そのうえで、送風機や扇風機を点検口に向けて回すだけでも乾きは変わります。潜っての作業は、酸欠やケガの危険があるのでやめてください。
⑤ 天井や壁のシミ、押入れの匂い
上からの水のサインです。最上階の天井のシミ、壁紙の浮き、押入れやクローゼットのカビ臭さ。雨が降っている最中に、縦樋から水が落ちる音がしているかどうかも手がかりになります。
対策シミの位置と、雨の降り方(横殴りのときだけか、いつでも出るか)をメモしておいてください。結露と雨漏りは見分けがつきにくいので、そこも含めて診断します。
正直に書いておきます。シロアリの駆除は、うちの仕事やありません
できることと、できないことの線引き
シロアリの駆除と予防は、薬剤を扱う専門の資格と経験がいる仕事です。うちは防水と雨漏りの会社なので、そこはやりません。知り合いの業者をご紹介することはできますが、うちがやりますとは言いません。
うちが担当できるのは、その手前です。屋根・屋上・外壁・ベランダ・サッシまわりから水を入れない。入ってしまった水の経路を見つけて止める。シロアリの話でいえば、餌になる湿った木を作らせない側です。
逆に言うと、駆除だけしても水が入り続けていたら、また同じことになります。水を止めるのが先です。
まとめ
雨漏りにしても床下浸水にしても、怖いのは水そのものではなく、濡れた木がそのまま残ることです。そして床下は、家の中でいちばん乾きにくい場所です。
春に羽アリを見たら写真を撮る。換気口の前のものをどける。点検口から匂いを確かめる。ここまでは、どなたでも今日できます。
そのうえで、去年から今年にかけて床下に水が入った覚えがある方、天井や壁にシミがある方は、一度ご連絡ください。大阪匠工業では無料で雨漏り診断と見積を行っております。経験豊富な職人が直接伺って、水がどこから入っているのかをお調べします。











